機械設計向けのツールAutoCAD Mechanicalとは
最近の設計士の多くは、図面を起こす際にCADを使っているかと思います。
そして、用途により扱うCADソフトも異なってきます。
中でも、製造業の生産性向上に特化したCADソフトがありますが、はたしてどのようなCADツールなのでしょうか。
今回はそんなオートデスクが提供するソフトで機械設計用ツールAutoCAD Mechanicalについてご紹介します。
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AutoCADはCADの汎用ソフトウェア
まず、AutoCAD Mechanicalの前に、AutoCADについてご紹介しましょう。
機械設計ソフトウェアAutoCADは、30年以上前から使われている汎用のCADソフトウェアです。
主に建築や土木、機械の分野で使われており、知名度抜群のCADソフトと言えるでしょう。
2Dでも3Dでも使われており、AutoCADをベースにさまざまなアプリケーションが誕生しています。
AutoCAD Mechanicalは、AutoCADに機械設計を効率良くするための機能が備わったものです。
AutoCAD Mechanicalの主な機能
最新のAutoCAD Mechanicalソフトウェアは、機械設計専用・機械設計向けで主に使われている2次元CADのソフトウェアです。
なぜ機械設計の現場で使われているのかと言うと、製図ツールをはじめ、機械設計や機械図面の作業・作図にとって効果的な機能が備わっているからです。
たとえば、細かなパーツを図面に起こす際、通常ではかなりの時間を要します。
ところが、AutoCAD Mechanicalでは70万点の部品・製品がライブラリに搭載されているため、設計データ・設計図面の共有、設計変更・表示においてかなりの時間短縮を図ることができるのですます。
また、部品表を作り、寸法線を変更することもできます。
画層グループを使って部品ごとに画層を分けることができるのも、AutoCAD Mechanicalならではと言えるでしょう。
製造業向けの機械設計の作成・修正・ドキュメント作成に活用できるサイズに基づいたパーツとツールのライブラリも追加されています。
動作環境が整えば大変便利な商品です。
さまざまな規格に準拠しているのも魅力
AutoCAD Mechanicalは、ISOやJISなど、世界のさまざまな製図規格に準拠しています。
先ほど挙げた70万点以上のパーツも、世界各国の規格に準拠しているものばかりです。
また、JISやISOといった規格による図面の書き方がありますが、AutoCAD Mechanicalを使えば、それらの規格に則った図示記号を挿入することができるのです。
他にも、ネジ・ボルト計算や梁のたわみ計算なども規格に則ったものであり、非常に使いやすくできています。
AutoCAD Mechanicalを扱うには
AutoCAD Mechanicalを扱うためには、そのベースとなるAutoCADを扱える必要があります。
AutoCADのオペレーションができるだけでは、Mechanicalの専門的なオペレーションができないからです。
AutoCADは独学や教本でも学べますが、Mechanicalまでを目標とするなら、併せてスクールで身につけた方がよいでしょう。
総合的に学ぶのであれば、大塚商会が主催するAutoCAD Mechanicalコースに参加してみてはいかがでしょうか。
AutoCAD Mechanicalコースでは、独自の画層管理機能やより強化された作図・編集コマンド、工業規格に則った標準部品や図記号など、AutoCAD Mechanicalの特長や機能の理解を深めることにより、効率的に図面を作成するためのトレーニングを提供しています。
利用者のレベルに応じたコースが用意され、AutoCADMechanicalバリューパックでは操作経験の有無で2つのコースを選ぶことができます。
機械設計技師なら、ぜひ押さえてもらいたいツール
AutoCAD Mechanicalには、機械設計をする上で必要なツールが概ね搭載されています。
ひと通り扱えるようになれば、業務が円滑に進むことでしょう。機械設計に携わるのであれば、身につけておきたいスキルと言えます。
AutoCAD Mechanicalを利用するには、AutoCAD環境が必須です。無料のトライアル期間もあります。
より多様な使用目的があるならAutoCAD for Windows と AutoCAD for Mac (英語版)の両方が使え、業種別ツールセットがAutoCADひとつで利用できるようになる「AutoCAD Mechanicalサブスクリプション」という商品もあります。