【2024年】プログラミング言語おすすめランキング・人気の言語の需要と将来性、年収目安

AIやIoT、Web3市場などの急速な発達を受け、プログラマーをはじめとするIT人材の需要はますます高まっています。こうした時勢に対応すべく、プログラミング言語を実務レベルで習得したいと考える一方で、「どの言語を学習すべきかわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
こちらでは、需要や将来性、求人案件数、検索数などの観点から、2024年のプログラミング言語のランキングを紹介します。何を開発できて、どのような分野で活躍できるのかにも注目し、学習候補の言語を探してみましょう。
POINT
- AI開発に強いPythonやC言語、ロボティクス領域で活用されるC++など、市場のトレンドに沿ったプログラミング言語が人気を集めている
- JavaScriptのように、活用の幅が広がってきている言語の価値や将来性があらためて見直されている
- C++やGoなど習得難易度が低いとはいえない言語は、需要に対してエンジニアが足りておらず、年収水準も高い傾向にある
Contents
2024年プログラミング言語おすすめランキング

需要や求人案件数、将来性、検索数、年収目安などにフォーカスしランク付けした、2024年に人気となっているプログラミング言語おすすめランキングを紹介します。
ランク | 言語 | 年収目安 | 難易度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1位 | Python | 590万円 | コードがシンプルで比較的学習しやすい | AI開発、機械学習、データ分析などの分野で活発に用いられており将来性が高い |
2位 | C | 601万円 | 学習教材が充実している反面、習得の難易度は高い | 開発から50年経つ歴史のある言語。一定の将来性は保証されると見られる |
3位 | C++ | 605万円 | 機械語に近い言語構造であるため、習得には時間がかかる | C言語の上位互換で汎用性が高い |
4位 | Java | 573万円 | フレームワークが多く存在することやオブジェクト指向言語であることから、習得には相応の難易度がある | 大企業のシステム開発で活用されている。マルチプラットフォーム対応で汎用性が高い |
5位 | C# | 574万円 | C言語にオブジェクト指向を取り入れた特性から、習得難易度はかなり高い | ゲーム開発で人気の開発環境・Unityで使用できる数少ない言語。マイクロソフト社開発でWindowsと相性が良い |
6位 | JavaScript | 561万円 | 環境構築が不要なため、初心者でも取り組みやすい | Webサービスやフロント開発のスタンダード言語であり、需要は継続する見込み |
7位 | Go | 627万円 | フレームワークや関連ツールへの理解も必須となるため、難易度は低いとはいえない | Googleが開発したオープンソース言語。エンジニアが不足しているため、習得すれば高い市場価値を得られる |
8位 | PHP | 546万円 | シンプルな文法であり、学習難易度は低め | WordPressにおいて必須の知識・スキル。需要は高めな反面、使用する場面は限定的 |
9位 | Swift | 581万円 | ツールの使い方に学習コストが割かれるが、学習環境は整ってきている | Appleが開発した言語。iPhoneシェアの高い日本では今後の需要が見込める |
10位 | Ruby | 581万円 | 日本人開発の言語であるため情報も多く、学習しやすい | 世界的に安定した需要のある言語で将来性も高い |
※データ取得・引用元:パーソルキャリア株式会社「HR forecaster」の調査
世界的に需要が増しているAI開発やIoT、ロボティクスなどに関連する、いわゆる「トレンド言語」や、汎用性の高さが特徴的なプログラミング言語が上位にランクインしています。それぞれのプログラミング言語の詳細な特徴を見ていきましょう。
1位:Python
PythonはAI開発、機械学習分野、データ分析の分野などにおいて活用が進むプログラミング言語です。コードがシンプルで学びやすいことも特徴で、習得によってWebサービス・人工知能開発・ブロックチェーン開発、データ分析の効率化など、マーケットに求められるトレンド性を有する、幅広い分野での活躍が望めます。
汎用性の高い言語であることから、さまざまな業界での需要が高く、年収水準も高めです。AI人材の需要は引き続き伸びていくため、将来性も申し分ありません。
【Pythonが活用されている分野】
- AI開発
- ゲーム、Webサイト制作
- ブロックチェーン領域
- 情報収集ツール
- データ処理・分析・解析 など
2位:C言語
C言語は、1972年に開発された長い歴史を持つプログラミング言語です。汎用性が高く、処理速度の高速性からAIやIoT分野でも活用されており、いまなお存在感は健在。C言語以降に開発された言語にも多くの影響を与えているため、プログラミング言語の中心的な存在として捉えられています。
機械語に近い仕様であることから習得が難しい側面はありますが、学習環境は充実しています。IoTやAI開発が盛んな現代において、引き続き求められていく言語です。
【C言語が活用されている分野】
- システム開発
- ソフトウェア開発
- ゲーム開発
- ハードウェア開発 など
3位:C++
C言語の上位互換にあたるC++は、C言語の処理速度や互換性をそのままに、効率的な開発を実現できるよう改良されています。ただし、機械語に近い言語構造であり習得が難しいとされているC言語をさらに複雑な構造にしたのがC++であるため、習得には長い学習時間が必要です。
一方、学習難易度の高さからC++を活用できるエンジニアは多くなく、売り手市場が続いています。また、汎用性が高い言語のため活躍のフィールドが広いことから、将来性も明るいです。
【C++が活用されている分野】
- 組み込みシステム
- ロボット制御
- 人工知能・IoT
- スマートフォン・Webアプリケーション開発 など
4位:Java
Javaはあらゆる環境で使用できる、業務システム開発、Webサービス開発、アプリケーション開発、ゲーム開発などに対応する汎用性が高いプログラミング言語です。Googleを筆頭に大規模なシステム開発にも利用されており、求人数も多い傾向です。大手企業のプロジェクト参画を念頭に学習するにも適しています。
また、JavaはC言語やC++など他言語の特徴を多く継承しており、Java以降に登場したC#やRubyなどにも影響を与えている言語です。Javaをマスターしておくことで、他のプログラミング言語の習得にも役立ちます。
人材としての汎用性を高められるメリットもあります。開発環境の豊富さや言語の横展開のしやすさから、Javaを足がかりに経験を積むというキャリアプランも見込めます。
【Javaが活用されている分野】
- 業務システム開発
- デスクトップ・アプリの開発
- Webサイト・サービス開発
- ゲーム開発 など
5位:C#
C#は、C++とJavaの特徴を持ち合わせるハイブリッドな言語です。マイクロソフトが開発した言語でWindowsとの相性が良く、マイクロソフト製品やWindowsアプリと連携するシステムの開発に適しています。国内のビジネスシーンで圧倒的なシェアを誇るWindowsとの高親和性のメリットは大きく、開発言語としても多くのプロジェクトにて採用されています。
マイクロソフトがさまざまな機能を提供し、環境開発も整っているため、新規開発はもちろん既存システムの改修においても高い需要があります。また、ゲーム開発で人気の開発環境であるUnityで使用できる希少なプログラミング言語でもあるため、ゲーム開発に興味がある人にもおすすめです。
【C#が活用されている分野】
- ゲーム開発
- Webサイト制作
- モバイルアプリ開発
- Windowsアプリ
- Microsoft提供サービス関連 など
6位:JavaScript
JavaScriptは、Webページに動的要素を追加する際などに使われるプログラミング言語です。Webサイトの構築をはじめ、Android アプリや銀行の基幹システムなどでも活用されています。Webサービスのフロント開発での需要が高い一方で、開発環境の構築が不要であるため、初心者でも学習しやすい言語です。
JavaScriptが求められる環境は、活用分野の特徴からHTMLやCSSなどマークアップ言語の知識を求められることが多いため、同時進行で学習しておくのがおすすめ。Webサービスのフロント開発において代替可能な言語が存在しないことや、あらゆるWebアプリの開発に利用されていることから、今後も高い需要が期待されています。
また、近年では活用の幅が広がっており、フロントエンドの開発だけでなく、Node.jsの登場によってサーバーサイドプログラミングにも用いられるようになりました。さらにWebAssemblyとの連携により、高速処理が求められるアプリケーションにおいても活用される範囲が広がっています。
【JavaScriptが活用されている分野】
- アプリケーション開発
- チャットボットなど、サーバー上で動作するアプリケーション開発
- Webサイトの動的な機能制作 など
7位:Go言語
Go言語はGoogleが開発した、C言語をモデルとした言語です。並行処理と高速処理に優れ、CPUへの負担も少ない特性から、Webサーバー開発などで多くの企業が取り入れています。また、需要に対してエンジニアが足りていないことから、Go言語を習得したエンジニアの市場価値は極めて高く、年収水準も高めです。
シンプルな構文であるため、安定性が高く使い勝手がよいことも特徴です。なお、機械語への変換が必要なコンパイル言語のため、習得にあたってのトライ&エラーが苦ではない人向けの言語となります。
Googleの支援があることによる信頼性の高さや、Dockerなど人気のアプリケーション開発にも採用されていることなどから、人気の長期的な上昇トレンドにあります。
【Go言語が活用されている分野】
- Webサーバー・Webサービスの構築
- スマートフォンアプリの開発
- IoT・ドローン
- CLI(Command Line Interface)
- APIサーバー など
8位:PHP
PHPは、世界的に圧倒的なシェアを誇るCMSであるWordPressの構築言語です。WordPress制作においては必須の知識・スキルとなります。
プログラムを記述したらすぐに実行できるスクリプト言語であるため、機械語への変換が必要なC言語などのコンパイル言語と比較しても学習難易度が低く、初学者でも習得しやすい言語です。日本語での情報も多く公開されている点においても、学習しやすい言語と位置付けられます。
企業案件やクラウドソーシング案件なども豊富にあるため、フリーランスへの転身や副業をはじめたい人にもおすすめ。HTMLやCSSの知識・スキルも合わせて習得しておくとよいでしょう。
【PHPが活用されている分野】
- ブログ、ECサイトの構築
- Webアプリケーション開発
- SNS開発
- お問い合せフォーム・予約システムの実装 など
9位:Swift
SwiftはAppleが開発したプログラミング言語で、iPhoneやMacのアプリケーション開発で主に活用されています。日本国内はiPhoneのシェアが高く、今後もモバイルアプリのニーズは増え続けると見られるため、引き続き高い需要を維持するでしょう。
なお、以前はObjective-Cが用いられていたiOSアプリケーション開発ですが、仕様の難しさからSwiftが台頭した背景があります。Appleの動向で需要が左右される側面はありますが、現時点ではiOSアプリの開発においてSwiftに変わる言語はありません。ただし、情報の少なさから、習得のハードルの高さは否めません。
【Swiftが活用されている分野】
- Apple製品向けのアプリケーション開発
- Webアプリケーション開発 など
10位:Ruby
日本発の言語であるRubyは構文がシンプルであるうえに日本語での情報が多く公開されているため、初心者でも学習しやすい環境が整っています。また、フレームワーク「Ruby on Rails」が用意されており、ゼロからコードを記述することなく効率的な開発が可能です。国内企業での採用実績も多く、WebやSNSなどあらゆる領域で採用されており、将来性も明るいです。
ただし、大規模システムの開発ではPHPなどが選択されやすいことから、将来性が懸念される声も聞かれている点にも考慮しておきましょう。
【Rubyが活用されている分野】
- Webアプリケーション開発
- ショッピングサイト構築
- SNS構築 など
学習するプログラミング言語を選ぶときのポイント

習得を目指すプログラミング言語を選ぶ際には、下記のポイントを意識しましょう。
- 求人や開発案件などの需要
- 汎用性の高さや将来性
- 習得のしやすさ
学習する目的にもよりますが、上記の点を意識して長く活躍できるエンジニアを目指しましょう。
求人や開発案件などの需要
求人や開発案件の数は、市場の大きさを表す指標となります。つまり求人や開発案件の数が多いほど、需要の高い言語と定義でき、企業やプロジェクトでの活躍の場が広がります。たとえば、JavaやPHPなどのプログラマー求人は他の言語と比較して一般的に多く見られ、高い需要が顕在化しています。
また、AI開発やWeb3.0領域など、市場の拡大が見込まれている業界で活用されるPythonやC言語系も需要が伸びている言語です。
汎用性の高さや将来性
何を作りたいのか、どのようなプロジェクトに携わりたいのかといったイメージを明確に描けていない場合は、プログラミング言語の汎用性の高さや将来性に着目しましょう。
たとえばPHPは学習難易度が比較的低い言語ですが、Web開発に特化している側面があるため、開発対象は限定的です。一方、ランキング1位のPythonは、Webサイト制作をはじめ、ゲーム制作、AI開発、ブロックチェーン開発と活躍のフィールドが広範です。言語の習得後に選べるキャリアの選択肢が豊富に用意されています。
また、いずれかの分野がほかの言語に取って代わられたとしても、別のフィールドに活躍の場を求められる汎用性の高さから言語を選択することは、リスクヘッジにもつながるでしょう。
習得のしやすさ
習得の難易度も見逃せない要素です。「将来性が高いから」「需要が高いから」と難易度の高い言語にチャレンジすることは市場価値の高い人材を目指せる反面、挫折する可能性も懸念されます。できるだけ難易度の低い言語からはじめるアプローチを考えてみてもよいでしょう。
ただし、難易度が低いといっても、それはあくまでも相対評価です。どの言語も一定の難易度があり習得には時間を要するため、学習環境が整った言語を選ぶなど学習方法についても考えておきましょう。
- 世界的に需要が増しているAI開発やWeb3.0領域など、トレンドに沿ったプログラミング言語が人気を集めている
- 求人や開発案件の数は、市場の大きさを表す指標となり、需要の高い言語と定義できる
- 汎用性の高さから言語を選択することは、プログラマーとして活躍していくリスクヘッジにもつながる
- 言語を選ぶにあたっては習得の難易度にも着目し、学習環境が整った言語を選ぶなど学習方法についても考えておくとよい