エンジニアのポートフォリオ作成のポイント|未経験者はGithubに公開すべき?
エンジニアの求人に応募する際に求められるものが、自身のスキルレベルを表すポートフォリオです。最近では、このポートフォリオはエンジニアの就職活動に欠かせないものとなりつつあります。
こちらでは、エンジニアがポートフォリオを作成することのメリットや、作成時のポイントについて解説します。
Contents
エンジニアのポートフォリオとは
ポートフォリオとは、いわば「作品集」のことです。自分の持つスキルを可視化しポートフォリオとしてまとめることで、会社や案件に対して自分がどれだけ貢献できるのかをわかりやすく提示できます。
エンジニアの場合、過去に参加したプロジェクトの概要や、アプリやサイトなどの成果物、その企画書、使えるツール言語、さらに現在学習しているスキルなどを記載します。
自分のスキルレベルを伝える!ポートフォリオの必要性
エントリーや面接の際に、エンジニアにポートフォリオを求める企業は増えてきています。ポートフォリオは作成に時間がかかるため、いつでも提出できるように前もって用意しておくとよいでしょう。
ポートフォリオを用意しておくことで、履歴書や職務経歴書、そして口頭でのコミュニケーションだけではカバーしきれない情報を相手にわかりやすく伝えられます。つまり、ポートフォリオは自分の能力レベルを企業側にしっかりと伝えるために必要なものに他なりません。
Githubに公開すべきか?ポートフォリオを作成するメリット
エンジニアがポートフォリオを作ることで、多くのメリットを得られます。
- 自分のスキルをわかりやすく伝えられる
- 技術力の証明になる
- やる気をアピールできる
ポートフォリオは自分のスキルや技術レベルを可視化するツールです。いまの自分ができることをポートフォリオにわかりやすく書き連ねましょう。ポートフォリオを見た企業は、あなたが自社に必要なスキルを持つ人材かどうか一目でわかります。実務経験者がポートフォリオを作る際は、守秘義務等を確認のうえで、これまで取り組んできた案件を掲載するといいでしょう。
また、実務未経験者であっても、ポートフォリオを作ることでエンジニアを目指すモチベーションをアピールできます。GitHubにポートフォリオを上げてソースコードを公開し、「実務経験はありませんが、自分でアプリを作れます」というように、使用できる言語やスキルのレベルをアピールしましょう。
ポートフォリオがない場合のデメリット
一方、ポートフォリオの用意がない場合、次のような点が懸念されます。
- 正しい評価を受けられない可能性がある
- 未経験ではポートフォリオがないと面接が受けられないこともある
ポートフォリオを用意していない場合、自分の能力・技術力を正しく評価してもらえない可能性は否めません。履歴書や職務経歴書だけでは、職場で実際に何をしていたのかまでかは伝わらないからです。
また、特に即戦力を求めている企業では、エンジニア未経験者はポートフォリオがなければ面接さえ受けられないこともあります。これは逆にいうと、ポートフォリオで自分の能力を伝えることで、未経験者でも狭き門を通過できる可能性があるのです。
エンジニア経験者/未経験者のポートフォリオの違い
エンジニアの経験者と未経験者では、ポートフォリオに記載できる内容が異なります。実務経験者の場合は、これまで実務で培った経験を列挙できますが、実務未経験者はポートフォリオに記載できる案件がありません。その際は、自分で開発したアプリやWebサイトなどを内容に含めるとよいでしょう。
エンジニア経験者のポートフォリオ
エンジニア経験者は、これまでの実務内容をベースにポートフォリオを構成します。どのような業界に向けて作られ、どのように活用されているシステムなのかを明示するとともに、可読性の高いソースコードに整えることも大切です。
経験者を採用したい企業は、自社に入ってどれだけの戦力になるのかを注視しています。自分の技術力を正しく評価してもらえるよう、企業の業態に合わせたシステムや、独自性のあるサービスの開発経験をポートフォリオに含めるといいでしょう。
エンジニア未経験者のポートフォリオ
一方、実務未経験者の場合は、「実務経験はないけれど、戦力となれるスキルがある」ことを内容で示す必要があります。
そこで、基本的な技術を有していることを提示するために、オリジナルの成果物を作成しましょう。例えば、サーバーサイドエンジニアを目指すのであれば、基本的なスキルを提示する成果物として、TODOアプリケーションの制作などがおすすめです。
TODOアプリの作成には、サーバサイドに必要とされる基本のスキルがつまっています。ログイン機能の実装、form処理、データベース機能、cookieに関する技術も必要です。また、これらの技術は、現在のWebサービスのほとんどに使われています。応募する企業の業態に合わせたアプリを作ると企業側の目を引きやすくなるでしょう。
さらに、自分の学習モチベーションを示すために、これまで学んだ言語や、いま現在学んでいることを記載することも大切です。
エンジニアのポートフォリオの作成方法
紙媒体とWeb、それぞれのポートフォリオの作成方法と注意点について解説します。
- 製作した成果物をまとめる
- アプリやプログラムの概要を添える
- こだわったポイントをまとめる
- スキルシートを作成する
- レイアウトをまとめて公開・印刷する
未経験の場合は、ポートフォリオのために開発する成果物を決めてから、ポートフォリオの作成に取り掛かります。ポートフォリオ内にはアプリケーションやプログラムの概要とともに、こだわりのポイントをまとめて記載しましょう。
さらに、エンジニアのポートフォリオにはスキルシートも入れておくと、より自身のアピールが伝わりやすくなります。スキルシートは、これまでの経験や所有するスキルをわかりやすくまとめたものです。形式に特に決まりはないため、自分で自由に作成しましょう。最後に、レイアウトをまとめてウェブ上に公開、または印刷したら完成です。
なお、Webでポートフォリオを作る際は、noindexタグを用いるなどして、広く公開にされないようにするといいでしょう。
ポートフォリオに記載する内容
ポートフォリオに記載する内容の詳細を紹介します。
実務未経験者 |
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実務経験者 |
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未経験者は実務として取り組んだものがないため、これまでに学習した言語や、ポートフォリオのために作成したアプリやプログラムについて記載しましょう。
経験者の場合は、前職でどのような経験を積んだのかを中心に記載します。ある程度規模の大きいプロジェクトがあれば、そのプロジェクト内で自分はどのような役割を担っていたのか記載すると、採用後のポジションの参考にもなります。
また、未経験者にせよ経験者にせよ、ポートフォリオに入れ込む成果物はオリジナリティがあるほうが評価につながりやすくなります。ポートフォリオ自体もありきたりな構成にせず、独自性を持たせて企業側の目を引くつくりを意識しましょう。
ポートフォリオ作成の流れ
実際にポートフォリオを作成してみましょう。
- これまでの作品を整理する
- テーマを考えて構成を決める
- 作品等データを入れる
- 見やすいレイアウトか、わかりやすいかチェックする
まずはポートフォリオに入れられる作品をまとめましょう。この段階で、応募したい企業があればその業種・業態に合ったアプリやプログラムを選択するといいでしょう。次に、ポートフォリオのテーマや構成を考えます。構成が決まれば、後は作品のデータを入れてレイアウトを整えれば完成です。
ポートフォリオで大切なのは、「見やすさ」と「わかりやすさ」です。客観的に見てわかりづらいポートフォリオでは、作成したアプリやプログラムがどんなに素晴らしいものでも、内容が入ってこず正しく評価されないことがあります。「単に作品を列挙しただけ」になっているポートフォリオは要注意です。
余裕があれば、紙媒体とWebの両方を作成しましょう。紙だけでは伝わらないこと、Webだけでは伝わらないことをそれぞれが補完できます。
エンジニアのポートフォリオ作成のポイント
エンジニアのポートフォリオを作成する際には、次の4つのポイントを意識しましょう。
- 需要に応えられることをアピールできる内容
- 整ったソースコード
- 意図を持って作成する
- 未経験者は実力に合わせた内容に
需要に応えられることをアピールできる内容
素晴らしい技術力を備えていても、ニーズに応えらえる技術でなければ振り向いてもらえません。いま、世の中に求められている技術は何か、各業種に求められている技術は何かに向き合い、それをポートフォリオに反映させましょう。
特に経験者の場合、「昔は主流だったけれど今はほとんど使われていない技術」をアピールしても結果にはつながりません。
整ったソースコード
企業側は、アプリケーションやプログラムの動作確認に加えて、コードまで見ています。ポートフォリオの見本からソースをとってそれをオリジナルだと主張しても、企業側には簡単に見抜かれてしまうのです。
また、着眼点もよく見た目もいい、動作にも問題がない成果物でも、ソースコードが乱雑では魅力を感じてもらえないことがあります。
意図を持って作成する
ポートフォリオを作成する際には、制作した成果物の意図を明確にしておきましょう。ポートフォリオを持参して面接に挑むと、面接官になぜこの作品を作りポートフォリオに入れたのかを聞かれることがほとんどです。
- 転職したい人に向けて、大学のOBやOGと気軽につながれるSNSを作りました
- コロナ禍で気軽にお墓参りができなくなった人のため、Webお墓参りサービスを作りました
- Web全体に公開したくない人向けに、家族内や友人内で動画を共有してコミュニケーションを図れるアプリを作りました
このように、なぜそのアプリを作ったのか、その背景とともにニーズも説明できるといいでしょう。
未経験者は実力に合わせた内容に
未経験者の場合、いきなり難易度の高いものに挑戦したり、できないものをできると言ったりしないように気を付けてください。いまの自分にできることを正直に開示しなければ、実務の段になって苦労することになります。
また、多くのサイトでコピー可能なコードが公開されていますが、それをコピーして「アプリやプログラムを自分の作品」とした場合、実務の現場で「実はアプリやプログラムを作れない」ことに気づかれてしまいます。
もちろん、面接の段階でコピーしたものだと気づかれてしまうことも少なくありません。自分の将来に傷をつけないためにも、自分の実力に合わせた内容のポートフォリオづくりを意識することが大切です。
エンジニアのポートフォリオ作成の注意点
ポートフォリオを作る際には、次の2点に気を付けましょう。
- 公序良俗に反していないか
- 多くのエンジニアに人気の作品は避ける
まず社会人の一般常識として、公序良俗に違反するポートフォリオはNGです。経験者の場合は、守秘義務のある案件をポートフォリオに入れないように注意しましょう。実務未経験者は、他人のソースコードを無断でコピーして使用してはいけません。こうした基本的なルールを守れない人材は、企業側にとって大きな損失を招きかねないリスクのある人材と捉えられてしまいます。
また、ありきたりなポートフォリオは避けるようにしましょう。Web上にあるポートフォリオの見本にプログラミングスクールの課題で開発した成果物だけを盛り込んだようなポートフォリオを作ってしまうと、企業側は「また同じようなポートフォリオが来たから見なくてもいい」と判断してしまいます。
経験者も未経験者も質の高いポートフォリオを作成することが大切
エンジニアの就職活動にいまや必要不可欠となったポートフォリオですが、作ればいいというものでもありません。実務経験者も未経験者も、企業側の目に留まるようなポートフォリオの作成を心掛けてください。
また、未経験者がポートフォリオを作る際は、自分の実力に見合ったものを作るように意識してください。経験者の場合は、守秘義務のあるものを公開しないよう、事前に必ず確認しましょう。
- ポートフォリオとは、自分の持つスキルを可視化しまとめた「作品集」のこと
- 過去に参加したプロジェクトの概要や、アプリやサイトなどの成果物、その企画書、使えるツール言語、学習中のスキルなどを記載する
- 実務経験者は、守秘義務等を確認のうえで、これまで取り組んできた案件を掲載する
- 実務未経験者は、戦力となれるスキルがあることをアピールする成果物を用意する
- エンジニアのポートフォリオにはスキルシートも入れておくとよい
- ありきたりな構成にせず、独自性を持たせて企業側の目を引くつくりを意識する