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派遣社員の副業・ダブルワークは大丈夫?禁止か両立OKか、雇用契約から考察

「働き方改革」の言葉に象徴されるように、副業や兼業が推進されるなど、個人の働き方は急速に多様化しています。いまでは正社員の副業を公式に認めている企業も少なくありません。

では、派遣社員が副業を始めたいと考えた場合、派遣元や派遣先企業から許可を取る必要はあるのでしょうか? 本記事では、副業やダブルワークに取り組みたい派遣社員や、「副業がバレるとどうなってしまうのか?」と不安を感じている人に向け、副業と住民税・確定申告との関係や、おすすめの副業の選び方などについて考察します。

派遣社員と副業・ダブルワークは両立可能

まず前提として、派遣社員の副業やダブルワークを禁止する法律はありません。よって、派遣期間中に副業やダブルワークを行っても、原則として法的に罰せられることはありません。

実際に、現在副業をしている、あるいは副業をした経験があるという派遣社員は半数以上にのぼるともいわれており、その割合は正社員の副業を大きく上回ります。

ただし、副業やダブルワークに取り組むにあたっては、事前に確認・把握しておくべきポイントがあります。

  • 就業規則・雇用契約を確認する
  • 「住民税・確定申告で副業がバレる」は本当であると理解する
  • 「副業を把握されたくない」ときにできることを把握する

就業規則・雇用契約を確認する

派遣社員の副業を禁止する法律はなく、実際に多くの派遣社員が副業に取り組んでいますが、派遣元や派遣先企業の就業規則や雇用契約は、事前に必ず確認しなくてはいけません。

就業規則で禁止されている以上、副業は行うべきではありません。就業規則で副業を禁止している場合、隠れた副業は就業規則違反にあたるためです。

一方、労働基準法に則った形での副業を許可している派遣会社もあります。労働基準法では、法定労働時間を1日あたり8時間、1週あたり40時間までと定めています。また、週1回以上の休日も必要になるため、派遣の掛け持ちや派遣と副業の両立によって、法定労働時間を超えて働くことを認めないケースが多いようです。

「住民税・確定申告で副業がバレる」は本当であると理解する

入社からの期間や同僚との関係性など、さまざまな理由から 「副業をしていることを会社にバレたくない」と考える人は多いですが、副業を始めると、企業側に発覚してしまうリスクは否定できません。

たとえば、副業による収入が年20万円を超える場合です。確定申告が必要になるため、そこから副業をしていることを会社に把握されてしまいます。

これは、確定申告によって給与から天引きされる住民税の額が変わるためです。

住民税は、本業の給与収入と副業の給与収入の金額を合計して算出されます。確定申告に基づいて算出された住民税額は、確定申告後の6月以降の給与計算に反映される仕組みです。

そして、本業の給与のみの住民税額よりも高い住民税額であることが給与計算の担当者に把握されると、「自社の給与以外の収入がある」と会社側に発覚してしまうのです。

なお、「会社にバレないよう確定申告を行わない」という選択肢は取れません。確定申告が必要であるにもかかわらず正しく行わなかった場合、無申告加算税や延滞税といったペナルティが科せれる可能性があります。さらに、無申告や所得隠しは刑事罰の対象にもなりえます。

「副業を把握されたくない」ときにできることを把握する

なんらかの理由から「会社に副業を把握されない」と考えているなら、まずは前述した住民税への対策が必須です。その他、副業の選び方や周囲との関係性においても工夫が求められます。

住民税を「普通徴収」にする

住民税の徴収方法を「普通徴収」に切り替えると、会社に住民税額を知られることはなくなります。

普通徴収とは、納税者自らが地方自治体に住民税を納税する方法です。給与所得者の場合、給与天引きにて住民税を支払う「特別徴収」が一般的ですが、天引きする税額計算の過程で担当者に住民税額の変化を把握されてしまう可能性があります。一方、普通徴収の場合はその心配はありません。

ただし、特別徴収から普通徴収に切り替えること自体が不自然に映ることもあるため、完全にノーリスクな方法とは言い切れないでしょう。

アルバイトなど給与所得になる仕事は避ける

アルバイトなど給与所得になる副業を選択すると、社会保険額の変化から副業が発覚する可能性があります。

1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数がその企業の正社員の4分の3以上になると、正社員以外でも社会保険に加入することとなります。また、厚生年金に加入する従業員数が101名以上の企業では、年の所得が106万円以上の従業員に対して社会保険の加入義務が発生します。

社会保険加入義務要件を満たしている勤務先が複数ある場合、社会保険料は収入に応じた額で按分され、それぞれの会社の給与から天引きされます。これにより、それぞれの会社に自社のほかに給与所得を得ている会社があることが把握されてしまうのです。

副業していることを周囲に知らせない

副業していることを周囲に漏らさないようにすることも重要です。

なお、身近な人との会話だけでなく、SNSへの投稿なども注意しましょう。副業していることを周囲に知らせることで、人から人へと話が伝わり、会社の耳に届いてしまう可能性が高まります。SNSで副業について投稿したい場合には、アカウント名を本名ではなく別の名前にする、居住地域を知られないようにするなどの工夫も必要です。

家族に知らせる場合も、副業の理由やリスクを説明するとともに、副業について周囲に知らせないよう事前に伝えておきましょう。

派遣社員が副業するときの注意点

派遣社員が副業を始める際は、次の3つの点に注意する必要があります。

  • 空き時間を有効活用できるかどうか
  • 働く場所が限定される副業は避ける
  • 長期間の縛りがある副業は避ける

派遣先で働きながら副業に取り組みたいのであれば、空き時間を有効活用できる仕事を選びましょう。このとき、働く場所が限定される副業では、通勤に時間がかかってしまうことで働きづらさを感じてしまいがちです。また、働く期間が長期におよぶ副業も避けたほうがよいでしょう。

空き時間を有効活用できるかどうか

派遣社員が副業を成功させるためには、本業の終業後や休日などの空き時間をうまく利用することがポイントです。空いている時間を効率的に副業に充てるために、通勤距離が長い就業先や、働く時間が限定される副業は避けた方が無難です。

働く場所が限定される副業は避ける

前述したように、通勤距離が長くなってしまう就業先や、働く場所が定められている就業先では、通勤に時間を取られてしまい、副業に取り組める時間がその分短くなります。これを解消するには、リモートワークが可能な仕事など、終業後や休日の隙間時間にも取り組める副業を選択するべきでしょう。

長期間の縛りがある副業は避ける

本業と副業の両立によって心身への悪影響も懸念されます。常に高いパフォーマンスで本業に取り組むためにも、長期間の縛りがある副業は避けるべきです。「○万円貯まるまで」「2週間だけ」のように、働く期間を自身で定められる仕事を選択するとよいでしょう。

派遣社員は副業を両立しやすい

前述した注意点を踏まえ副業を選択すれば、派遣社員の副業は難しくありません。

それは、派遣社員は正社員と比較して働く日数や時間を柔軟に定めやすい環境にあるためです。また、さまざまな職務のプロフェッショナルとして、常にスキルアップや知識のアップデートが求められる派遣社員においては、本業以外の副業に取り組むことで金銭以外のメリットも享受できるでしょう。

特に「派遣の方が稼げる」といった専門スキルを有する人は、金銭以外のメリットも追求しつつ副業先を選定するとよいでしょう。

派遣社員におすすめの副業選び

ここからは、派遣社員が副業を選ぶ際に重視したいポイントを3つ紹介します。

  • 残業が発生しない
  • 在宅でできる仕事
  • 将来性が見込める

本業への影響と効率的な副業の実施を考えると、残業がなく、かつ在宅でできる副業がおすすめです。また、今後のビジネスの流れを踏まえた、将来性のある副業も狙い目です。これらの条件を満たすWeb系の副業がうってつけとなるでしょう。

在宅でできる仕事

プログラミングやWebデザイン、ライティングなどがこれに当てはまります。スキルアップにつながる仕事を探せるほか、求人数も豊富なため、勤務時間や日数、報酬などの条件を比較しながら、自身の希望する働き方や生活にマッチする仕事を選びやすいこともメリットです。

一方、在宅でできる仕事は働く時間が自由であるがゆえに、体調を顧みず働き過ぎてしまうケースも少なくありません。報酬よりも働きやすさを重視するなど、本業に影響のない範囲で働ける案件を探しましょう。

残業が発生しない

残業が発生する副業を選択すると、本業に悪影響をおよぼしかねません。また、勤務時間が超過し労働基準法に抵触してしまうケースも考えられます。副業は残業がなく、シフトの安定した仕事を選びましょう。

将来性が見込める

業務内容や企業情報もよく確認して、将来性が見込める副業先を選ぶことも重要です。

たとえば新たなテクノロジーを活用したビジネスや、DX推進企業などでの副業です。先進的な取り組みに関われる副業を選択することで、これまでにないスキルや知見を得られ、本業にもフィードバックできる好循環も生まれるでしょう。

ただし、このような副業は学ばなければならないことが多く、多忙になりがちです。本業の繁忙期は避けるなどの工夫は欠かせないでしょう。

まとめ
  • 派遣社員の副業やダブルワークを禁止する法律はない
  • ただし、派遣元や派遣先企業の就業規則や雇用契約を事前に必ず確認すべき
  • 副業で収入がアップし住民税額が変化することで、企業の給与計算の担当者などに副業をしていることを把握されることがある
  • 住民税の徴収方法を「普通徴収」に切り替えると、住民税額の変化は企業側に把握されない
  • 社会保険加入義務要件を満たしている勤務先が複数ある場合も、社会保険額の変化から副業が発覚する可能性があるため要注意
  • 派遣社員の副業は、時間や場所などの制限がなく空き時間を有効活用できる種類が望ましい
  • 派遣社員は働く日数や時間を柔軟に定めやすい環境にあるため、正社員と比較して副業は難しくない
  • プログラミングやWebデザインなど在宅でできる仕事や、将来性が見込める仕事を探すとよい

 

 

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